子供にとって、トランポリンは大人と同じ視点での景色を見せてくれる。
普段は飛ぶ事が出来ない高さまで、自らの力で飛ぶことができる魔法の道具である。
たまにパパも運動のために利用するのだが、すぐに子供が寄ってきて一緒に飛ぼうとするので、まともに飛んだことがない。
今日も朝ご飯を食べたばかりだと言うのに、我が家の暴れん坊ラビット『ハル』と、ハルの行動を何でも真似する『トモ』が代わるがわるトランポリンで跳ねている。食後からずっと飛び続けているので、胃の中の食べ物が逆流してこないか、パパは心配である。
一通り飛びんで満足したのか、ハルがソファで寛いでテレビを見ているパパに向かって走ってきた。
「パパ! 手をつないで!」
と言って手を引っ張ってくる。おいおい、パパは食後をゆったりと過ごしたいぞ、と多少の抵抗を見せたが、いつの間にかトモも寄ってきて、もう一方の手を掴み、兄弟でパパの両手を引っ張ってきた。仕事戦士の休息時間に、安息の地から引きはがそうとするのだからいい度胸である。
とは言え、かわいい我が子の頼みを親の怠惰で断るのも可愛そうなので、仕方なく重い腰をあげると、無邪気な我が子に手を引かれてトランポリンまで連れていかれた。
ちなみにハルが言った『手をつないで!』とは、単純に手をつなぐと言うことでは無い。トランポリンで跳ねる子供の手をつなぎ、ジャンプするタイミングで少し上に持ち上げる遊びのことを指している。
パパに引っ張られタイミング良く持ち上げられると、トランポリンの反動を利用して、より一層高く飛べるようになるのである。ただし思いきり持ち上げると、飛んでいる本人が思ったよりも高く飛べてしまうので、へっぴり腰でジャンプするトモなんかは、怖がってすぐに止めてしまうことをパパは知っている。
まずはハルと両手をつなぎ、ジャンプする度にカウントをとる。
「いち、にー、の――」
ハルに体を持っていかれないように足で踏ん張りながら、腕にぐっと力を込めて大きく上にあげる。
「さーん!」
ハルの体はパパの肩の高さを超え、視線はパパの頭を超えるほど宙に浮いた。
「いち、にー、のー、さーん!」
「いち、にー、のー、さーん!」
「いち、にー、のー、さーん!」
10回ほど繰り返すと、トモが待ちきれなくなって「もうおしまい!」と騒ぎ始めた。パパも何気に疲れてくるので小休憩である。
トモに交代して、両手をつないだ。小さなジャンプを2、3回始めたので、タイミングを合わせて、
「いち、にー、のー、さーん!」
の合図で高く上げてやると、やはり怖かったのか、「ジャンプおしまい!」と言って、トランポリンを駆け回り始めた。
それを見たのかハルは「ジャンプしないなら、交代して!」とイライラをむき出しにすると、トモは「イヤだイヤだ!」と言って泣いてしまった。3歳児のトモは最近、やりたい事に口を出されるとすぐに泣く癖が付いている。
仕方なくトモを食事の後片付けが終わったママに預け、ハルの鬱憤を解消させるためのゲームを提案してやった。
題してトランポリン高跳びゲーム。これには着地でケガをしないように敷いておく柔らかいマットと、飛び越える壁のようなものを用意する必要がある。我が家はこれを2つのカラーマットで実現する。
まずは一つのカラーマットをトランポリンを囲むように立てて、次に着地するであろうところにもカラーマットを敷く。これだけで完成である。壁の代わりに高さを固定した紐のようなもので、飛び越える線を張ってもよいだろう。
中々の壁の高さである。高さは1メートルくらいであろう。そこをトランポリンのバネを利用して、思い切って飛ぶのである。
ハルは高揚した表情でトランポリンにあがると、大きく縦に飛び始めた。3,4回跳ねてから思い切って前に飛ぶも、カラーマットの壁に思い切り当たってしまった。しかしマットなのでぶつかっても怪我はないし、壁といってもマットを立てているだけなのですぐに倒れる安全設計である。
飛ぶときに足を曲げるように指示して、パパが一度見本を見せる。
「スーパーウルトラじゃーーーーんぷ!」
かっこいい名前を言いながら華麗な跳躍を見せつけたつもりが、着地で尻餅をつくという残念な結果となる。
それを見て、ハルが再度チャレンジすると、見事壁を超えることができたのであった。運動神経皆無の両親から、なぜこんな活発な子供が生まれたのか、未だにわからない謎なのであった。
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